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特注品開発プロジェクト

従来の枠を超えて。
工夫と連携で挑んだ
特注品開発。

海外での新市場開拓に乗り出したペンニットー。
日本であれば数ヶ月の製造期間を必要とする特注品ですが、A国向け特注品の納期は、わずか1ヵ月。

A国向けに特注品を製造するプロジェクトは、従来の常識を覆す挑戦の連続でした。

コストと将来性のはざまで

市場調査にて、現地の半導体市場で新たに求められているのは、「ストレート部分が長いフレキシブルチューブ」だと分かりました。

「フレキシブルチューブ」はペンニットーの主力製品ですが、ストレート部分を長くするには、専用の「治工具」が必要です。しかし治工具は高額で、単発の受注ではどうしても赤字になってしまいます。

そこで重要だったのは「この市場で今後も継続的に取引が見込めるかどうか」。
将来的な取引の可能性や市場の成長性を慎重に見極めながら、社内での検討が進みました。

新たな課題、新たなアイデア

治工具の開発

治工具のデザインにも課題がありました。従来の単一パーツで構成された治工具では、特注品の品質を保てないことが判明したのです。

加工メーカーに問い合わせるも断られ続ける中、開発部では「2つのパーツで治工具を構成する」という新たなアイデアが生まれました。この工夫により、半導体に使用しても問題のないチューブがつくれるだろうと考えたのです。

新たなパートナーとの挑戦

開発部が直面した最大の壁は「納期」でした。
通常であれば3ヶ月程度かかる製造期間に対し、提示された納期はわずか1ヵ月。
ようやく治工具のデザインが完成したものの、ネックとなったのは製作期間。

これまで関わってきた協力会社では、2ヵ月程度の制作期間が必要でしたが、それでは間に合いません。

そこで、協力会社との信頼関係を大切にしつつも、あえて新たなパートナーを探すことを決断。
結果、2週間半で治工具を納めてくれる会社に出会い、プロジェクトは急ピッチで前進しました。

新たなパートナーとの協力

こだわった先に見えたもの

完成した製品サンプルを現地企業に提出し、検討を経て受注決定の連絡を受け取ることができました。

今回のプロジェクトがきっかけで、新たなニーズに応えるための社内体制づくりや判断軸の見直しが進みました。

この挑戦を通じて得られた工夫や体制の柔軟性は、今後の案件にも活かされていくと考えています。

「製造・販売」だけではなく
「お客様の課題解決」へ

かつては「自社で製造できるかどうか」が判断基準でしたが、今は「お客様の困りごとにどう応えるか」が軸になっています。

若手開発者も「お客様の課題解決につながる提案をするために、技術だけでなくヒアリング力も磨きたい」と語ります。

今回の試みは、スピード感・コスト意識・社内連携・新しい判断基準など、多くの面で気づきと学びをもたらしました。

ペンニットーは、今後もこうした挑戦を大切にしながら、新たな価値づくりに取り組んでいきます。